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ホームステイ5歳で行くアメリカ

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6月にインター幼稚園を卒業したmomoは9月から別のインターの小学校へ入学が決まりました。夏休みの2ヶ月半をフルに使って、1人でアメリカへホームステイへ行くことになりました。1人でと言っても赤ちゃんの頃から英会話を教えてもらっている先生が、ご家族で帰省するのでそこについて行くというのが本当のところです。

準備

  • パスポート

まだ一度も海外へ行ったことがなかったmomoなので、パスポートを申請するところから始めます。大人ならば簡単なパスポート用の写真を撮るにも、背が小さすぎて一苦労です。カメラマンに撮って貰えば良い話ですが、よく駅などにあるBOX内で撮るタイプは、顔を枠に収め、動かずに数秒カメラをまっすぐ見つめるという行為が、まず1つ目の難関でした。

パスポートセンターでは保護者が代筆をしても可能ですが、5歳児のプライドなのか自分でサインをすると言い出します。こういう場合は先にサインを書かせ、後から必要事項を記入しないと何度も書き直す羽目に陥ります。出来上がったパスポートをドヤ顔で見せびらかしていたのが今でも忘れられません。

  • 公的証書

未成年でしかも5歳ですから、先生に全てをお任せします というような内容の公的証書を作成する必要があります。公証役場に行き、英文で依頼します。アメリカの住所・保護者となる先生の名前・それを委託する私達の署名などを記載し、先生と私達両親で1枚ずつ保管します。この書類を作成する時は、覚悟というか、なんとも言えない気持ちになりました。もちろん先生を信頼しているからこそできる、サインでありホームステイです。

  • テキスト

先生からはテキストを持って行くように と伝えられていましたが、スーツケースには入れませんでした。勉強ぽい物はいっさい日本へ残していきます。せっかくアメリカへ行くわけですから、机上の勉強ではなく、景色を見て、匂いを嗅いで、風を感じて、そこらじゅうから聞こえてくるネイティブの英語を聴いてほしかったのです。五感をフル回転させることこそが、なによりの勉強だと思います。

  • 着替え

着替えは上下数枚ずつと羽織れる物、そして履き慣れた靴。洗濯ありきの荷物です。絶対に忘れてはいけないのが、お気に入りのぬいぐるみです。笑

お土産

5歳が1人で持てる重量までとなると、なるべく軽いものを選ぶようにしました。候補に上がったのは お煎餅・ティーパックの日本茶・甚平・扇子などの日本らしい物です。なるべく日持ちするもので、軽くて、配れるもので などと考えると、もう何にして良いのかわからなくなってしまいます。

そこでどんな物が好みかを聞いてもらうことにします。返ってきた答えは意外にもクッキーなどの食べ物で、コテコテの日本風ではありませんでした。やはり普段から食べ慣れている味に近い方が、お口に合うのかもしれません。

そこでサブレやカステラなどを持って行くことに決めました。特にサブレは喜ばれたそうです。

言い聞かせ

ホームシックになって迎えを呼ばれても、そうそう行ける距離ではありません。なので出発までは毎日パパ・ママには2ヶ月以上会えなくなることを言い聞かせ、1人でお風呂に入る練習・1人で寝る練習など、今まで甘やかしてきたことを練習します。momoはアメリカへ行くことがとても楽しみなようで、この辺は難なくクリアしていきました。

いざ出発

成田へ見送りに行きます。momoにとって待ちに待った日ですから、いつになくハイテンションです。それに比べ私と夫は心配と不安でいっぱいでした。前日まではアメリカへ2ヶ月半も行くのだから、英語をもっと伸ばしてほしいと という気持ち、色々な経験をし、精神的にも成長してほしい など希望が沢山ありました。しかし成田へ着くと、成長なんてどうでもよく ただ、ただ無事に戻ってきてほしい それだけです。そんな親の気持ちを知らずに、ニコニコの笑顔で手を振りながらゲートをくぐって行くmomoでした。展望デッキから飛行機が小さくなるまで見送り、夫と無言で自宅へ戻りました。

アメリカ生活

ニコニコで涙を見せずに出発したmomoですが、ホームシックにかからないのか心配でした。先生からは数日おきに膨大な量の写真が届きます。先生のご実家・親戚の人達の大勢に囲まれながら、一人前にハンバーガーを頬張る写真や、遊園地などに連れて行ってもらっている写真、独立記念日にパーティをしている写真など、どの写真も笑顔で、ホームシックどころではない様子です。ソファーに寝そべってポテチ片手にTVを見ている写真は、ずっとそこで育ったかのような1枚でした。これらの写真を見て、やっと夫と私も安心することができました。

これは5歳なのに すごいことなのでしょうか。おそらく、5歳だからこそ、なせることのような気がします。もう少し年齢が上がれば、普段と違う環境に置かれていることを理解し、ホームシックになっていたかもしれません。5歳ならではの、その瞬間を楽しむことができたように思います。もしくはmomoがなにも考えないただの〇〇なのかもしれませんが・・・

成果

2ヶ月半後にようやく日本へ戻ってきたmomoに、お帰りと声をかけますが、あまり話してくれません。ママを忘れてしまったのか?いいえ忘れてしまったのは日本語でした。必ず日本語で話しかければ日本語で答え、英語と日本語を混ぜて話すことはないmomoですが、日本語の単語が出てこないのです。なので「う〜ん・・・」と言っては考え込んでしまいます。たまに「ヤっ」と相槌うってしまい、間違えて恥ずかしそうな顔をします。こんな感じが1週間ほど続きました。

たった2ヶ月半で忘れてしまうものなんですね。それだけネイティブの英語環境に浸れたということですから、成果としてはバッチリです。1週間後くらいには、いつものバイリンガル5歳に戻り、日本語も話すようになりました。

そしてもう一つの親の希望、精神的に成長してほしい ですが、アメリカへ行く前となんら変わりなく甘えん坊のmomoのままでした。こちらは失敗に終わりましたね。

費用

・飛行機代往復30万円程度

・先生へのお礼70万円

・公証役場への支払い約1万円

・海外旅行保険(忘れましたが2ヶ月半は割高でした)

・その他お土産など

これは今から17・8年前の金額となります。この金額が妥当かどうかはさておき、それ以上の経験ができたと思っています。

ホームステイとは

momoの場合は赤ちゃんの頃からお世話になっている先生のご実家なので、通常のホームステイとは違うかもしれません。ですが現地の親戚の人々とは初対面で、おじいちゃん・おばあちゃんからおじさんにおばさん、大学生のお兄さんやお姉さんに年齢の近い子供達まで、一緒に生活をしたり遊びに行ったりしました。普段は目にしないようなお菓子、TVから聞こえてくるニュース、車のクラクションまでが日本とは違う物です。

実際に行ってみなければ、わからないことが沢山あるはずです。この異文化体験は英語の成長だけにとどまらず、視野が広がるはずだと私は感じました。旅行では体験できない経験と、ホストファミリーとの絆が人生の大きな糧になると信じています。

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